糖尿病専門医とは
社団法人日本糖尿病学会が定めた研修指定施設に5年以上勤務し、相当数の症例を経験かつ学会主催の専門医試験に合格し認定された医師が糖尿病専門医です。
糖尿病専門医は5年ごとに認定の更新が義務付けられており、その間にさらなる症例数を経験し、また最新の知識を得るため各種学会や研究会への出席を定期的に行います
全国的に糖尿病専門医は患者さんの数の割にはまだまだ少なく、今後専門医の数の増加が期待されています。
2016年現在、福岡県には272名の糖尿病専門医がいます(参考:福岡県の循環器専門医数744名)。
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糖尿病専門外来
糖尿病専門医がその専門知識を生かし糖尿病のみならず、随伴する高血圧、高脂血症、肥満症などの治療を行います。
糖尿病といっても一人一人性質が異なります。その人にあった食事療法や運動療法の指導、また適正な薬剤の選択を行います。
当院ではインスリン注射の導入、自己血糖測定の手技指導、血糖測定器の貸し出しなども行っています。
メタボリック症候群と糖尿病
現在メディアをにぎわせているメタボリック症候群は肥満を基礎にした糖尿病や高血圧、高脂血症といった疾患が集合した病態の総称で放っておくと動脈硬化が無症状のうちに進行し心筋梗塞や脳卒中といった生命にかかわる疾患を引き起こす原因と考えられています。
メタボリック症候群の治療と糖尿病は密接な関係があり、糖尿病の食事・運動療法を行うことで、他の血圧、コレステロールの異常も同時に改善する場合があります。
また高血圧や高脂血症に対しては必要に応じ薬剤を使用します。この判断も重要なポイントです。
メタボリック症候群は早期のうちから治療にとりかかることが重要です。
インスリン注射について
インスリン注射は痛い、大変、一度はじめると止められない、と思われがちですが、実際は医学の進歩に伴い針も細くなったことにより刺した時の痛みもほとんど感じず、また注射器の操作も極めて簡単になってきました。また糖尿病の強い飲み薬を飲んでも血糖が悪いケースにインスリン治療を一時的に導入し、血糖改善後は再度飲み薬に戻すといった治療を行う場合も少なくありません。
さらにインスリン治療中の1型糖尿病患者さんもある種類の飲み薬を併用することでインスリンの量が減らせる可能性もあります。
インクレチン注射
この数年出てきた2型糖尿病患者さんへの新しい治療法です。インクレチン(GLP-1)という消化管ホルモンのアナログ製剤を注射することで、体内のインスリンの分泌活性化、および体重減少の効果が認められています。
肥満型の2型糖尿病の患者さんに有効な治療で低血糖の心配もありません。
この注射もインスリンと同じ操作法や針を用い、1日1回で効果があります。
また最新のものでは週1回の注射で従来の毎日注射するのと同じ効果が得られるものもあります。